【塗装・塗料の深いぃ話】乱仙法大のきまぐれコラム②
2025年3月7日
昨今の住宅の塗替え工事は、塗料メーカーの戦略にまんまと乗せられて、
高耐候性、高耐久性のある無機と有機のハイブリッド塗料やフッ素塗料と言った価格の高い塗料が採用されている傾向がある。
しかし、それは営業主体の塗装リフォーム業者の差別化を狙った戦略だろう。
これだけ営業主体のリフォーム業者が増えてくるとお客様は取り合いになっている。
そんなに高価な塗料を採用して、高額な塗装工事を行っている富裕層はさほど多くはない。
その少ない富裕層のお客様を世間に溢れるくらいいる営業主体の塗装リフォーム業者が取り合うのだから、中々受注は伸びるわけがない。
たしかに、高耐候性、高耐久性の塗料を採用すれば次に塗り替えるサイクルは長くなるだろう。
しかし、必ずメーカーが提言する次の塗り替えまでの期間が保証されるわけではない。
住宅の塗替えは、既存の状態に依存するので、現状が悪ければ、
どんなに気を使い塗装しても思ったほどの期待はできないこともある。
それに日本は災害国家である。
明日、巨大地震がくるかも知れない。
津波がくるかもしれない。
台風などで屋根材が壊れて雨漏りするかもしれない。
そんな不安要素が多々あるのだから、高額な費用を費やして、高耐候性、高耐久性の塗料で施工する必要が果たしてあるだろうか?
もっと言えば、本当にお客様の為になっているのだろうか。
私は考えてしまうのだ。
次の塗替えまで15年から20年の塗替えサイクルの高額な高耐候性、高耐久性の塗料で施工するよりも、
リーズナブルな8年から10年ぐらいの塗替えサイクルの方が良いのではないか。
この先、何が起こるかわからない。
しかし、塗替えはしなくては家が維持できない。
それならば、コストを下げて、次の塗替えまで8年から10年ぐらいの塗料で施工した方が良いと私は思う。
それに、15年から20年の塗替えサイクルの塗料なら、当然、早くて15年は塗替えは行わない。
リピートはこないということだ。
当然、このような塗替えサイクルの長い塗装をしてきた業者は塗装工事のリピートが得られにくい。
その時の売上は上がっても、リピート数が少ないのだから、当然、新規の塗替え工事の受注し続けなくてはならない。
その点、次の塗替えサイクルが短いが価格的にリーズナブルな塗装工事を主体に動いていれば、短いサイクルでリピートの工事が得られる。
したがって、実は高額な高耐久性、高耐久性の塗料ばかりの塗替え工事を受注してきた業者よりも、安価なそれなりの塗料で塗替え工事を受注してきた業者の方なある程度の年数を継続して事業をやっていればリピート回転率も高く、結果、売上も上がっていく。
今に始まったことではないが、富裕層はほんの一握りである。
後は、安心できる工事はして欲しいがそんなにお金はかけられない人ばかりだ。
私は、これからはリピート回転率の高い汎用的な塗替え工事の受注こそが会社の業績を左右させるだろうと思う。
コストを下げて質の悪い工事をするのではない。
いかにコストを下げても質は落とさないやり方を考える必要がある。
例えば、規定量を塗装出来てなければ手抜きになる。通常の塗料で上塗り回数を1回にすればこれも手抜きになる。
では、手抜きにあたらないやり方なんてあるのか?
それは、塗料自体を変えること。
塗料には工程を短縮させてコストをさげても良いものがある。
例えば密着性をあげて開発したシーラレスの塗料や、上塗り1回塗りで規定塗膜が確保できる塗料もある。
それぞれ、安心して塗れる条件はあるものの、塗料メーカーがそれをうたい文句にしているのだから基本問題はない。
しかし、それを安易に鵜呑みにして使用するのも良くない。
納得できるまでのテストは必要だし、疑問があるなら直接塗料メーカーと話をするべきだ。
私は、基本塗料メーカーの言ってることは信用していない。私自ら塗って見て確信が無い限り信用はしない。
それは、高額な高耐候性、高耐久性の塗料でも、塗料メーカーの言ってることは信用していない。
塗料メーカーの実験データーもいくらでも偽装できる。
結局は塗料メーカーのいうことよりも、自分の中の経験と照らし合わせて確信に迫れるかだと思う。
だからこそ、常に疑いを持って塗料と向き合い。塗装工事を請け負うものは全て、その使用する塗料を自ら塗るくらいのことはするべきだと思う。
よく、営業をしていると、お客様に
『実際やるのは下請けでしょ?自社に職人はいないんでしょ。』
と言われる。
私は、こう答える。
『実際、施工するのは下請けです。でも職人はいますよ、私は職人ですから。ただ、立場上自ら現場に入って施工することはないです。私の仕事は仕事を頂き、工事を管理することです。それに人間は常に楽をしたい生き物です。それはどんなにベテランの職人でも同じです。だから、楽して手を抜かせないために私のようなかあえて施工しない管理が必要なんです。私は施工はしないので、強く言えるんですよ。私からしたら自社職人だけでの施工はまったく信用できませんから。人間、そんなに強くないですよ、楽して仕事をしたい生き物ですから。私もそのひとりですから。』
結局、住宅の塗替えはただの物売りとは一味違うも二味も違うけど、一度信用されれば必ずリピートは期待できるし、他のリフォーム工事にも繋げられる。
だからこそ、これからはリピート回転率の高い汎用塗料を使用したリーズナブルな住宅塗替えの受注に舵を切るべきだ。
杉本 和也
美術家・芸術家・音楽家
活動名:鸞鳳-らんほう-(乱仙法大)
時間があれば芸術・美術に没頭。時間を創り上げてモノを創造する。
時にはギター片手に音楽を奏で、そのメロディーは心を安める。
仏教にも精通しており、その教えを自己解釈して愉しむ。
常に笑顔であり、まわりの人々を笑顔にしてしまう魔術師。
文才にも長け、創り出した文章は人々を虜にしてしまうほど。
現在はあんしんりふぉーむの塗装・塗料アドバイザーはもとより、
リフォーム担当としてお客様を笑顔にする活動中である。