カラーベストの屋根塗装の時にタスペーサーが必要なワケ
2025年3月24日

タスペーサーとは
タスペーサーとは、カラーベストの屋根塗装を塗装した時にカラーベストの重なり部分の隙間を塗装で埋めないようにして通気性を確保するためのものです。図1参照

図1タスペーサーとは
どの様な時に使用するのかというと、カラーベストの屋根塗装で2回目の塗装の時や、ガイナのように塗装膜が厚くカラーベストの重なり部分の隙間を埋めてしまう場合に使用します。
従来の作業は、皮スキやカッターなどでカラーベストがくっついてしまった部分を切る縁切り工法をしていましたが、これがとても大変な作業なうえ、余計なところまで切って傷をつけてしまったり、不具合が発生しまうことがありました。
タスペーサーを使用することで、作業効率もよく通気性を確保することが出来るようになりました。
タスペーサーが必要な理由
タスペーサーを入れなければいけない理由は、雨漏り防止のためです。
本来カラーベストには、カラーベスト同士に隙間があり、水が入ってしまっても隙間から流れ出るつくりになっています。図2参照

図2タスペーサーが必要な理由
カラーベストとルーフィングの間に水が入る原因は雨と結露です。
雨は、カラーベストの隙間に毛細管現象で吸い上げられてカラーベストとルーフィングの間に侵入します。
もし隙間を埋めてしまうと、入り込んでしまった水分の逃げ場がなくなるため、雨漏りや野地板の傷みを起こす原因になります。図3

図3タスペーサーがないと雨漏りや野地板の傷みの原因になります
その分金額が高くなるからやらなくてもいいよ、と言われても雨漏りや屋根が傷む可能性があるのがわかっているのにタスペーサーをやらないわけにはいかないのです。
タスペーサーはどんな時に使用するのか
基本的には、新築後1回目の塗装ではタスペーサーは必要ありません。
ガイナのように塗装膜が厚く付く塗料の場合はカラーベストの重なり部分の隙間がふさがってしまう為、1回目の塗装でもタスペーサーが必要な塗料もあります。
一般的な塗料は1回目の塗装では、カラーベストの隙間を埋めるほどの塗装膜はできませんが、2回目の塗装の場合は、塗装膜によって隙間が塞がってしまうので通気性の確保のためタスペーサーが必要になります。

タスペーサーの入った状態の屋根
タスペーサーが必要ないケース
だからと言って必ずタスペーサーを入れないとだめかというと、決してそうではありません。
タスペーサーが不要な場合もあります。
3寸勾配以下の緩やかな屋根の場合にはタスペーサーは使用できません。
また、カラーベスト同士の隙間が4mm以上の場合はタスペーサーが必要ありませんし、脱落してしまうので設置できません。
状況によってタスペーサーが必要かどうか変わるので、事前に屋根の状態を確認する事がとても重要になります。
屋根に上って状態を見ればタスペーサーが必要か不要かはわかります。
ですので、見積もりをする為に現地調査をするときに、屋根を確認するのは必須です。
なぜなら、事前に屋根の状態を確認しておかないと正確な見積もりが出せないからです。
正確な見積もりができ、工事が始まってから追加工事の請求をせずに済みますので、後々トラブルにならない為に、お客様にとっても施工会社にとっても、とても大切なことです。

タスペーサーの使用していない状態の屋根
まとめ
屋根がカラーベストで、2回目の塗装をしようとしている方や、1回目の塗装でも塗装の膜厚が厚いガイナなどの塗料を検討されている方は、タスペーサーが必要です。
ただしカラーベストの現状の状態で、タスペーサーがどれだけ必要か不要かを判断できますので、事前に必ず屋根の状態を確認することが不可欠です。
屋根の塗装を依頼する時のお役に立ててください。